2012年5月31日木曜日

高村光太郎が智恵子と供に愛した土湯温泉・不動湯温泉


高村光太郎が智恵子と供に愛した土湯温泉・不動湯温泉

高村光太郎が、智恵子の母親に宛てた手紙に
「青根から土湯にまいりました。土湯で一番静かな涼しい家にいます。」
という一節があります。

また、「智恵子抄」の一節には
「わがこころはいま大風の如く君に向へりそは地の底より湧きいづる貴く
やはらかき温泉にして君が清き肌のくまぐまを残りなくひたすなり」
として、この温泉を登場させています。


「あれが阿多多羅山、あの光るのが阿武隈川」
という智恵子の呟きがありますが青空を背景に連なる東北の山々、
そしてその谷間を蛇行する川の流れはまさに絶景。

封建社会の反逆者となっていく光太郎は、智恵子と二人きりの生活に入り込むが
次第に智恵子は精神に変調を来していきます。
昭和8年の不動湯温泉めぐりは、回復の望みの絶えた智恵子の回復を
絶望の内にもなお祈願する光太郎の必死の旅であったに違いないでしょう。

妻を想う光太郎の気持ちを考えながら旅をするのもいいかもしれませんね。

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