2012年5月30日水曜日

原田康子が舞台のクライマックスに選んだ道東屈指の名湯「川湯温泉」


原田康子が小説のクライマックスに選んだ道東屈指の名湯「川湯温泉」

「彼らにわかれると、わたしはゆっくり温泉町の通りを歩きだした。
日射しの強くなりかけた火山灰質の通りに、
硫黄の噎せるような濃い匂いがただよい、修学旅行の少女たちが
白い花片のように群れていた。   ・・・
・・・わたしはまっすぐ市街のはずれにあるホテルに行った。」
原田康子「晩歌」の一節です。

小説「晩歌」は昭和31年当時、年間70万部の大ベストセラーとなりました。
その舞台の大半は当時泥炭の悪路に水産加工市場から漂う
釧路の港町が舞台となっているが、重要なクライマックスシーンを
川湯温泉にたどり着く主人公で描いています。
この小説は映画化されるほど影響力がありました。


原田康子が描く川湯温泉はK湯温泉と称され、「サビタの記憶」でも登場します。
「私がK湯温泉でひと夏を保養したのは、女学生になったばかりの年である。」
と書き出し、少女から女性へと変貌していく様がみずみずしく描かれています。

ぜひ想いを馳せながら、小説をご覧になってはいかがでしょうか。
次回は川湯温泉の魅力をご紹介いたします。

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