2012年5月30日水曜日

武者小路実篤が戦時中、執筆に励んだ秋の宮温泉郷


武者小路実篤が戦時中、執筆に励んだ秋の宮温泉郷

「秋田へ疎開したのは、前年旭谷君に秋田に案内され、感じがよかったのと
稲住の経営者の押切君の厚意に甘へたからである。
稲住温泉は山形から秋田に入って二つ目の駅の横堀から五里程山の中に入った
処にある温泉で、宿屋が一軒あるだけの山中の温泉場である。」
武者小路実篤「稲住日記」より


秋の宮温泉郷は、秋田県最南の湯沢市にある県内最古の温泉です。
東を奥羽山脈、西を出羽山脈に囲まれた情緒あふれる温泉地です。
温泉郷の内2枚看板ともいえるのが鷹の湯温泉と、
稲住日記にも登場する稲住温泉です。

稲住温泉は、小杉放庵、石井鶴三、中川一政などの画家を中心に
多くの文人が滞在する宿として栄えたんだそうです。
しかしその名を世に知らしめたのが、武者小路実篤。
白樺派の支柱ともいえる彼が「稲住日記」を公刊すると
秋の宮温泉郷は一気に全国区になりました。

武者小路自身が戦争中の日々を執筆に励みながら悠然と過ごす様が
在りし日の実篤を思い浮かばせます。
今でも宿には、実篤の書等が残されているとの事ですので
是非訪れてみてはいかがでしょうか。

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