2012年6月1日金曜日

太宰治が妻を愛したからこそ湯村温泉で過ごした新婚生活


太宰治が妻を愛したからこそ湯村温泉で過ごした新婚生活

「家内は、からだぢゆうのアセモに悩まされていた。甲府市のすぐ近くに
湯村といふ温泉部落があって、そこのお湯が皮膚病に特効を有する由を
聞いたので、家内を毎日、湯村へ通はせることにした。」
太宰治「美少女」より



太宰は井伏鱒二の媒酌で美知子と結婚し、
新婚生活をしばらく甲府市で過ごしました。
空襲で焼けおち今は太宰治僑居跡としての石碑が残るのみとなっていますが、
この新居の近くにあったのが湯村温泉です。
夫人のアセモ治療に通うのに乗じ、太宰も湯村温泉に通うようになりました。
その時の経験を赤裸々に書き記したのが「美少女」なのです。

太宰は東京に転居したあとも、何度か湯村を訪れ、
執筆の場としていたそうです。

太宰と温泉は深い関わりを持っています。
新婚生活を送った湯村温泉はもちろんですが、
自殺未遂の場となったのもまた温泉。
また、多くの作品に様々な温泉地を舞台とするのも特徴です。

太宰の作品を読むさいは、舞台背景を思い浮かべながら
読み進めてみて下さい。

0 件のコメント:

コメントを投稿