2012年6月1日金曜日

中里介山が名付けたといっても過言ではない長野の秘湯白骨温泉


中里介山が名付けたといっても過言ではない長野の秘湯白骨温泉

「やがて白骨の温泉場に着いて、顧みて小梨平をながめたときは
お雪もその明媚な風景によって、さきほどの恐怖が消えてしまいました。
殊に、龍之助はここへ着くと、まず第一に、『これから充分眠れる』
という感じで安心しました。」
中里介山「大菩薩峠」より



中里介山の未完の長編小説「大菩薩峠」は、盲目の剣士龍之助を取り巻く
流転の生活を、明治維新を迎える激動の時代を背景に描いた稀代の名作です。
物語で龍之助は白骨温泉に滞在し、保養に励みます。
江戸時代には白船と呼ばれていたこの温泉地は、介山が白骨とよんでからは
白骨の名が一躍有名になりました。

彼はキリスト教や社会主義に接近し、幸徳秋水や堺利彦、内村鑑三、
山口孤剣らの社会主義者と親交を結び、「平民新聞」へ寄稿する一面もありました。

代表作である「大菩薩峠」は彼の代表作ですが、彼の後半生は
この執筆に飲み込まれたといっても過言ではないほど壮絶なものだったそうです。

深い山々に囲まれた白骨温泉でゆったりとした時のなか、
この長編小説に読みふけるのもいいかもせれません。

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